日本の技術を国際標準化=「知財」推進で三つの柱−政府(時事通信)

 政府の知的財産戦略本部(本部長・鳩山由紀夫首相)は30日、特許や著作権を使って国内産業の国際競争力を強化する「知的財産推進計画2010」の骨子を決定、公表した。日本の技術が国際標準を円滑に獲得できるよう外国と連携を進めることなど三つの柱で構成。5月にも最終的に計画をまとめるほか、政府が策定中の新経済成長戦略にも反映させる。
 骨子はこのほか、コンテンツ分野での海外市場獲得、中小・ベンチャー企業や大学を含めた幅広い業界の知財活用強化を盛り込んだ。 

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首相「早急に協議必要」 辞職拒否の小林議員 閣僚から党執行部への批判も…(産経新聞)

 鳩山由紀夫首相は23日朝、民主党の小林千代美衆院議員が、自陣営に不正に資金提供したとして北海道教職員組合(北教組)の幹部ら2人が起訴されたことに関し議員辞職も離党もしない考えを示したことについて「これで終わったと思っていない。何らかの対処をする必要があると考えている。早急に幹部で協議する必要がある」と述べた。首相公邸前で記者団に語った。

 他の閣僚からも小林議員の処分の検討や参院選への影響に対する懸念、そして幹部の責任論が相次いだ。

 川端達夫文部科学相も閣議後の記者会見で「教育が組織する団体から逮捕者を出し、起訴される事態になったことは極めて遺憾であり、深刻な問題だ」と語った。

 菅直人副総理・財務相は「小林議員の問題や小沢一郎幹事長、鳩山首相の政治とカネの問題で国民に十分な理解が得られていない状況は大変残念だ。(夏の)参院選への影響が心配される」と語った。小林議員の進退については「今後党として何らかの検討が必要になることもある」と述べた。小沢鋭仁環境相も「自身が関与の度合いを見極めて(辞職を)判断することだ」と述べた。

 小沢氏と距離を置く民主党の「七奉行」と呼ばれる閣僚からは、小林議員や小林議員への対応のあり方を含め、党執行部に対して批判的な意見も出た。

 枝野幸男行政刷新担当相は「陣営幹部が逮捕、起訴されているのに、なぜ本人が辞めないのか、説明が足りない。私自身も十分納得できない」と非難した。

 前原誠司国土交通相氏は「参院選への影響はある。政治とカネの問題についてだれもけじめをつけていないことが厳しく問われており、それが内閣支持率下落の大きな要因になっている。政治とカネの問題を言われている方々すべてが自身でどう判断するかということだ」と述べ、首相や小沢氏の責任論にも言及した。

 。仙谷由人国家戦略担当相は「(首相や党執行部に)意見を聞かれたら申し上げたいが、いろいろ政局、戦略的な判断をしてくれるだろう」と話し、参院選前に幹部らの「けじめ」を求める可能性を示唆した。

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積立金1430万円を横領=海自事務官を免職−鹿児島(時事通信)

 海上自衛隊鹿屋航空基地(鹿児島県)の宿舎補修費などの積立金約1430万円を着服したとして、海自は26日、第1航空群(同基地)所属の男性事務官(48)を懲戒免職処分にしたと発表した。
 同航空群によると、事務官は基地の宿舎業務担当者として勤務していた2000年7月中旬ごろ〜03年1月ごろ、入居する隊員から徴収した積立金約1430万円を着服した。金を1人で管理しており、「住宅ローンや遊興費に使った」と話しているという。
 07年に入居者から「補修がされていない」とクレームがあり発覚。全額が返済されており、刑事告発はしない方針という。 

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日弁連 新事務総長に海渡氏 福島消費者相の夫(毎日新聞)

 日本弁護士連合会は18日、会務の取りまとめ役となる事務総長に海渡(かいど)雄一氏(54)=第二東京弁護士会=を就任させると決めた。宇都宮健児・新会長が4月1日に任命し、任期は2年。海渡氏は刑務所の待遇改善活動で知られ、原発差し止め訴訟の住民側代理人やグリーンピースメンバーによる鯨肉窃盗事件の弁護人を務める。社民党党首の福島瑞穂消費者・少子化担当相の夫でもある。

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性犯罪前歴者、出所後の所在不明1割(読売新聞)

 千葉県松戸市で千葉大園芸学部4年荻野友花里さん(当時21歳)が殺害された事件で、強盗殺人や現住建造物等放火などの罪で起訴された住所不定、無職竪山(たてやま)辰美被告(49)。起訴された4件の強盗事件では、いずれも女性が狙われた。

 千葉県警は女性が被害者となる性犯罪について、被害者が報道されることを希望しない場合、原則非公表としている。竪山被告が最初に逮捕された同県印旛郡の事件も発表されなかった。竪山被告が荻野さんの事件にかかわった疑いが強まり、県警は後に逮捕した事件では特例として発表した。

 法務省は性犯罪の再犯防止策として、13歳未満の子供が被害に遭った強制わいせつ、強姦などの事件の前歴者については、氏名や出所予定日、居住地などの情報を、2005年6月から警察庁に提供している。

 ただ、こうした情報は、前歴者本人の出所時の申告に基づく。警察庁によると、昨年末までに出所した672人のうち、1割弱の58人が行き先不明で、同庁も「法的義務のない現行の制度では限界がある」としている。

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東京・文京区長、2週間の育児休暇取得へ(読売新聞)

 東京都文京区の成沢広修(ひろのぶ)区長(44)は長男が生まれたことを受け、4月に約2週間、公務を休む考えを11日、明らかにした。

 男性の育児休暇取得が進まない中、「トップが休むことで、職員に取得を促したい」としている。区長など特別職の育児休暇は制度化されておらず、自主的な休みになるという。

 区によると、公務を休む期間は4月3〜15日。2月に長男が誕生し、今月、区議会や区側に「育児のため休む」と伝えたという。

 総務省によると、地方公務員の育児休業等に関する法律は、一般職に休業の権利を認めているが、区長など特別職は対象外。区は「特別職には休暇の概念がなく、自主的に休むことになる」としている。

 成沢区長は11日朝、区役所で報道各社の取材に、「結婚9年目にやっと子供ができた。妻の負担を軽減すると共に、職員に対し(育児休暇を取っても)キャリア面でのロスはないと伝えたい」と話した。休暇中に予定されている区議会特別委員会には「求められれば出席する」としている。

 成沢区長は1991年、25歳で文京区議に初当選。区議会議長などを経て2007年4月に区長に初当選した。

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北が日本世論軟化策 総連内部文書 マスコミ工作指令(産経新聞)

 北朝鮮は日本の朝鮮総連(在日本朝鮮人総連合会)を通じ、鳩山民主党政権への働きかけを強めようとしているが、7日までに産経新聞が入手した内部文書で、朝鮮総連が日本の対北世論を軟化させるため「学界、マスコミ工作や、政界はじめ各界代表者の訪朝を推進すること」−など具体的な宣伝扇動策を決議していたことが分かった。これは朝鮮労働党の指示とされ、対北制裁解除や経済支援獲得を狙ったものとみられている。

                   ◇

 文書は昨年の総括と今年の目標を定めた総連中央常任委員会の決定書(昨年12月28日付)で全29ページ。

 今年の課題に「日本の連立政権が対北朝鮮政策を転換させ制裁を撤回させて、日朝平壌宣言に従って過去の清算を基礎とする国交正常化に本格的に向かうよう(総連が)事業を行う」ことを挙げ、具体策として「学界、マスコミの有力者との事業」や「政界をはじめとする各界代表者たちの訪朝を積極的に推進する」として、地域密着で日朝友好行事を行うよう指針を示した。

 関係者によると、この文書は朝鮮労働党の総連担当部署の統一戦線部の指示で作成されたもので、形式は総連中央常任委員会の決定書だが、実態は日本社会や政界工作に対する事実上の本国の「指令書」という。

 文書はまた、昨年の日本の政権交代に対応して総連が民主党の中央と地方の有力者や与野党議員に働きかけ、対北制裁の撤回をさせる世論工作を行ったと記し、「日朝民間交流事業として40団体の訪朝団を実現した」と報告。中央や地方で政界やマスコミ、労組などに「親北勢力」を再構築し、反共和国(反北)に対する糾弾ムードを組織したと述べている。

 北朝鮮の民主党攻略指令は昨年7月上旬から始まった。自民党政権が対北強硬策をとっていたため、政権交代を好機とみて旧社会党系の総評など北朝鮮と友好関係にあった労組への働きかけを指令していた。昨年末から地方の民主党議員に総連系団体からの接近が確認されている。

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 社団法人日本イベント産業振興協会(東京都)は9日、第5回日本イベント大賞に「市制施行120周年記念 第12回松山『俳句甲子園』全国高等学校俳句選手権大会」(主催・NPO法人俳句甲子園実行委員会)を選んだと発表した。正岡子規や高浜虚子ら多くの俳人を輩出し、小説「坊っちゃん」の舞台となるなどした文学的土壌を生かし、市内の商店街を舞台に、市民を巻き込みながら審査する地域密着型の一面と、予選会を通じて全国に活動を広げた波及力を評価。「俳句で戦うという新しさと質の高さが光るイベント」と絶賛し、大賞に選出した。大賞には08年9月から09年9月に行われた全国のイベントのうち150作品の応募があった。

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元IBM営業マンが手を染めた禁断の“赤黒転換”(産経新聞)

【疑惑の濁流】

 システム開発業界の“サラブレッド”が、巨額の粉飾決算容疑で摘発された。コンピューターメーカー大手の日本IBMと野村総合研究所の共同出資で誕生した「ニイウスコー」(東京都中央区)。逮捕・起訴された元会長は約10年で売上高800億円企業に急成長させた“敏腕”だったが、経営が下降線をたどるようになると、粉飾工作をトップダウンで下していたとされる。日本IBMの巨大な影も事件を覆っており、粉飾疑惑は拡大の様相を呈している。(花房壮)

■「新経営陣は私を…」

 受話器の向こう側から漏れてくる男性の声は、怒気を含んでいた。

 「粉飾決算の認識もないし、指示を出したことは一切ない。新経営陣が私をおとしめようとしている」

 「新経営陣側の調査委員会は、報告書の中で、682億円の粉飾決算が行われたと指摘しているが、その数字の根拠が全くわからない」

 平成21年10月。産経新聞の複数回にわたる電話取材に対し、粉飾決算への関与が取りざたされていたニイウスコー元会長の末貞郁夫容疑者(62)=横浜市青葉区=はこう疑惑をきっっぱりと否定していた。

 それから5カ月後の今年2月11日。末貞容疑者は同社元副会長の大村紘一容疑者(68)=神奈川県藤沢市=とともに、横浜地検特別刑事部に証券取引法(現金融商品取引法)違反の疑いで逮捕された。

 逮捕容疑は、平成18年6月期連結決算について、商品を動かさずに伝票上だけで売買したことにする「循環取引」などを繰り返し、売上高約772億円、経常利益約57億円と記載した虚偽の有価証券報告書を関東財務局に提出した−というものだった。

 経営陣のナンバーワン、2が主導したほか、赤字を黒字に偽装するという決算書の「赤黒転換」の悪質性を重視した同地検と証券取引等監視委員会が、強制捜査に踏み切ったのである。

 ニイウスコーをめぐっては、20年4月に東京地裁に民事再生法適用を申請した。その際、新経営陣は19年6月期までの5年間の連結決算で計56の不正取引があり、粉飾額が682億円に上ると発表していた。

 監視委も巨額粉飾決算の疑いがあるとみて調査に乗り出していた。疑惑浮上から換算すれば、事件化は2年近くの時間を要したのだ。

 末貞容疑者は逮捕当初、容疑を否認していたが、数日後には「部下に粉飾の手口を指示した」と認めたのである。具体的には、社内会議などで、ホワイトボード上に約30社の取引先や仲介会社の名前を末貞容疑者自らが書き込み、粉飾決算手口である循環取引について指示していたという。

 「容疑を認めるのは時間の問題だった。末貞容疑者が粉飾工作を指示した決定的な資料をすでに部下から押収していたのだから。言い逃れはできない」

 監視委幹部はそう言って余裕の表情を浮かべた。

■脱サラの星も…業績ピークは“下り坂の始まり”

 横浜地検は今月3日に2人を起訴するとともに、17年6月期連結決算でも循環取引で売上高を約121億円水増しした疑いで再逮捕した。17年、18年の2年間での水増し額は250億円に達し、巨額粉飾事件に発展したのである。

 末貞容疑者をはじめ、幹部の大半が日本IBM出身という毛並みの良さを誇るニイウスコーは、なぜ粉飾決算を繰り返し、経営陣のトップが逮捕されるという転落を軌跡をたどったのか。

 同社の創業者である末貞容疑者は昭和46年、慶応大学を卒業後、日本IBMに入社。金融機関営業本部などでキャリアを積んだ後、平成4年に金融機関向けのコンピューター機器を販売する「ニュー・インテリジェント・ワークステーション・システムズ」(略称NIWS)を設立した。

 メガバンクを安定顧客に抱えた同社は14年に東証2部に、翌15年には東証1部への上場を果たした。設立10年強で年商も800億円のIT企業に成長し、牽引(けんいん)してきた末貞容疑者は脱サラの成功者として脚光を浴びた。

 しかし、業績のピークは“下り坂の始まり”でもあったようだ。

 同社は高齢化時代の成長産業として有望視されていた医療関連のITサービス事業にも食指をのばした。だが、初期投資がふくらむ一方、サービスの低価格化などで収益が伸びず、多額の損失を計上し、全面撤退の辛酸をなめたのである。末貞容疑者は19年6月期決算で債務超過に転落した責任をとる形で経営から退いた。

■ノルマ成績優秀者には特別な“ご褒美”

 組織内部も疲弊していたようだ。

 「社の方針は末貞容疑者の独断で決められ、口を挟むことはできなかった」(関係者)という同社では、営業で厳しいノルマが課されていたという。

 業界関係者によると、成績優秀者は「ワンハンドレッド・パーセント・クラブ」と称する集まりへの加入が認められ、法外な報酬や海外旅行がご褒美で与えられたという。「ただ、成績が芳しくない“負け組”は人間扱いされないような状況で、社内の雰囲気は自慢できるものではなかったようだ」(同)。

 過度なノルマ主義で無理を重ねた経営スタイルが粉飾決算の風土をいつの間にか形成したのだろうか。

 別のIT関連会社幹部はこう話す。

 「IT業界では業績をよく見せるための循環取引は“商習慣”のようなもので、それほど罪悪感はないのかもしれない。数字を操作すれば、簡単に赤字が黒字になるわけだから。業績悪化で追いつめられた末貞容疑者も経営者が陥りがちな禁断の手段に手を出してしまったのではないか」

 だが、ニイウスコーの粉飾決算事件は新たな局面を迎えようとしている

■巨大な影…当局も不正取引の関与にメス

 今月4日午前。監視委の一団が東京都中央区の日本IBM本社を家宅捜索した。

 今回の粉飾事件の関連先として強制調査に乗り出したのである。

 業界の“ガリバー”への本格調査に、関係者は「ついに監視委が本丸に攻め込んだ」と口にしたが、市場関係者は「末貞容疑者の主導の構図は変わらない。不正取引の裏付けだろう」と慎重な見方を示す。

 押収資料の分析次第では新たな展開もあるのか。

 「否定はできないが、少なくとも中小零細企業では日本IBMから仕事をもらおうと、無理をしているところも少なくないようだ。ニイウスコーも日本IBMとの取引で数十億円の負債を抱え込んだという話もある。その損失を隠すために粉飾に手を染めた可能性は捨てきれない」

 市場関係者は、今回の粉飾決算事件の原因に日本IBMとの取引が絡んでいるとの見方を示した。

 日本IBMは強制調査に対し「全面的に協力する」とコメントしており、事件への関与の解明は始まったばかりだ。

 ただ、日本IBMをめぐっては、大阪地検と監視委が19年2月、取引先のITベンチャー企業「アイ・エックス・アイ」による証券取引法違反事件でも循環取引に関与した疑いがあるとして強制捜査を受けたことがある。それだけに、監視委幹部も「押収した資料をじっくり分析する必要がある」と本腰を入れた調査の必要性を口にする。

 捜査当局に容疑を認めたとされる末貞容疑者の口からは、ガリバー企業に関するどんな供述が吐露されているのか。IT業界関係者にとって、ニイウスコーの粉飾決算事件はしばらく目が離せそうにない。

 ■循環取引 複数の企業間で商品を実際には動かさずに伝票上だけで売買したように装い、架空の売り上げを計上する不正取引。新興市場では成長性が重要視されるため、IT企業の粉飾決算に悪用されるケースが少なくない。

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