苦しいときの神頼み 受験、就職…“験担ぎ”事情(産経新聞)

 受験シーズン到来で、今年もさまざまな“験担ぎ”商品が大にぎわいだ。あやかり切符を発売する鉄道会社にとって、受験生支援は旅客誘致や知名度アップから期待大。景気回復が見えない状況も手伝って、受験、就職…と苦しいときの神頼みがちまたにあふれている。(日出間和貴)

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 ◆まとめ買いの教諭も

 鉄道の駅名には、幸運を呼び寄せるネーミングが各地にある。横浜近郊を走る相模鉄道(本社・横浜市西区)の「ゆめが丘−希望ケ丘」間の乗車券(通称「ゆめきぼ切符」、大人260円)もその一つ。この乗車券を使って両駅を実際に利用する客はほとんどいないという。しかし、受験シーズンを迎えると切符の売れ行きは一気に加速する。

 今シーズンは2万5千セットを準備。昨年12月28日から3月末までは両駅間の乗車券を買うと、絵馬と卓上カレンダーがついてくるとあって、クラス分まとめて買い求める教諭もいるという。

 「ゆめきぼ切符は年間を通じて販売していますが、その多くが1月に集中する。就職を控えた学生のほか、幸せになりたいと絵馬に願いを込める人も多い。夢と希望を持ちたいのは受験生に限りません」と相鉄ホールディングス業務推進室。

 相鉄グループは「合格祈願サイト」を充実させたほか、二俣川駅のおにぎり店では「合格おにぎりパック」を今月18日から発売するなどグループ挙げて受験生らを支援する。

 ◆定番のコアラ

 航空会社とのユニークなタイアップ企画もある。京浜急行電鉄(本社・東京都港区)は全日空と共同で2月末日まで、ANA国内線で羽田空港に到着した受験生を対象にした「合格祈願絵馬きっぷ」を販売している。受験生支援のため、搭乗券と受験票の提示が必要。京急線「羽田空港−品川(または横浜)」間を通常より割安(最大340円割引)で購入できる「絵馬きっぷ」は、羽田空港近くの神社で祈祷(きとう)済みという念の入れようだ。

 動物にあやかった応援グッズでは、「(木から)落ちない」験担ぎからコアラが相変わらず評判だ。

 こども動物自然公園(埼玉県東松山市)では「四天王御守」が今シーズンからお目見え。定番のコアラに加え、レッサーパンダ、フタユビナマケモノ、カナダヤマアラシを「落ちない四天王」として仲間入り。お札やコアラのフンで作ったストラップ、ユーカリの葉がセットになって1袋500円。

 地方発の受験応援グッズにも人気商品がある。青森県田舎館村の「工房まる一」は2年前から、津軽塗の滑らない技法を施した「すべらない五角鉛筆」を販売。3本入り1050円とやや割高だが、津軽塗という異色さが手伝って評判は全国に拡大中だ。

 「仕事にしている漆器を何かに生かしたいと考え、いとこの受験の応援のために作り始めた」と工房を主宰する漆芸家の工藤広一さん。全国各地の受験生の親や祖父母からの問い合わせや注文が相次ぎ、この年末年始も休日返上で発送に追われたという。

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 ■語呂合わせにシフト

 受験生の合格祈願の習俗は、学問の神を祭った神社の信仰から「語呂合わせ」や「あやかり精神」に訴える受験グッズにシフトしている。絵馬はかつて、願い事を書いて神社に奉納するのが正しい作法だったが、今は駅やデパートにも奉納するスペースができている。

 作家の山下柚実(ゆみ)さんは「科学技術が発達しても、現代人は『神秘』や『呪術(じゅじゅつ)的行為』にひかれる感性を喪失していない。験担ぎも私たちの精神に残る感性の一つだと思う。若い人たちの心はみずみずしく柔らかいので、そうした行為が素直に外へ出てくるのではないか」と分析する。

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